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不動産所得は白色申告と青色申告どっち?1室からできる青色10万円控除ガイド

不動産所得は白色申告と青色申告どっち?1室からできる青色10万円控除ガイド
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「物件は1室だけだから白色申告でいいや」——そう考えている大家さんは、毎年数万円の節税機会を失っている可能性があります。 結論から言うと、マンション1室の賃貸でも青色申告の10万円控除は受けられます。 白色申告の控除はゼロ。一方、青色10万円控除には事業的規模(いわゆる5棟10室基準)は不要で、記帳も白色と同じ単式簿記(簡易帳簿)でOKです。 この記事では、物件1〜4室の小規模大家さん向けに、白色と青色の違い、 青色10万円控除の要件と申請手順、65万円控除へのステップアップ条件までを整理します。

結論:1室でも青色10万円控除が原則有利

白色申告と青色申告(10万円控除)は、日々やることがほとんど同じです。 2014年以降、白色申告でも記帳と帳簿保存が義務化されたため、 「白色なら帳簿いらず」というかつてのメリットは消滅しました。

  • 白色申告:単式簿記で記帳 → 特別控除ゼロ、赤字繰越なし
  • 青色申告(10万円控除):単式簿記で記帳 → 10万円控除、赤字3年繰越つき

つまり同じ労力で、控除と赤字繰越だけが上乗せされるのが青色10万円控除。 事前に申請書を1枚出すかどうかの差しかありません。 1室からの小規模大家さんこそ、青色を選ばない理由がほぼないのです。

白色と青色の違い早見表

項目白色申告青色(10万円控除)青色(55万/65万円控除)
特別控除額0円10万円55万円(e-Taxで65万円)
記帳方法単式簿記単式簿記(簡易帳簿)複式簿記
提出書類収支内訳書青色申告決算書青色申告決算書(貸借対照表つき)
事前申請不要必要(承認申請書)必要(承認申請書)
赤字の繰越不可3年間繰越可3年間繰越可
専従者給与定額の専従者控除のみ事業的規模でないと対象外事業的規模なら届出額まで経費化可

55万/65万円控除だけは事業的規模(概ね5棟10室)と複式簿記が必要ですが、10万円控除にはどちらの要件もありません。 1〜4室の大家さんの現実的な選択肢は「白色」か「青色10万円控除」の2つで、 比べると青色が一方的に有利です。

青色10万円控除の要件

青色申告で10万円控除を受けるための要件はシンプルです。

  • 不動産所得(または事業所得)があること — 賃貸1室でも該当
  • 事業的規模は不要 — 5棟10室基準の判定は関係なし
  • 簡易帳簿でOK — 現金出納帳レベルの単式簿記で足りる
  • 青色申告承認申請書を期限内に提出済であること
  • 期限内申告 — 確定申告を法定期限(原則3月15日)までに行うこと

記帳の中身は白色とほぼ同じ

「青色=難しい複式簿記」というイメージは、65万円控除の話と混ざった誤解です。 10万円控除なら、記録するのは家賃の入金日と金額、経費の支払日と金額・内容—— つまり白色申告の記帳義務でやることと実質同じ。 どうせ同じ帳簿をつけるなら、10万円控除と赤字3年繰越が付いてくる青色を選ぶのが合理的です。 どんな支出が経費になるかは家賃収入の経費一覧を、申告書の書き方全体は大家さんの確定申告ガイドをあわせてご覧ください。

節税インパクト試算:10万円控除でいくら戻る?

10万円控除の節税額は「10万円 × あなたの税率」です。 たとえば課税所得330万円超〜695万円以下(所得税率20%)の会社員が副業で1室貸している場合:

  • 所得税:10万円 × 20% = 20,000円
  • 住民税:10万円 × 10% = 10,000円
  • 合計:年間約3万円の節税(復興特別所得税を除く概算)

申請書1枚でこの効果が毎年続きます。10年貸せば約30万円。 さらに、初年度に減価償却費などで赤字になった場合も、青色なら3年間繰り越して 翌年以降の黒字と相殺できます(減価償却の計算は減価償却の計算方法ガイド参照)。

青色申告を始める手順

やることは「青色申告承認申請書」を税務署に1枚出すだけです。

提出期限に注意

  • すでに貸付をしている人:青色申告を適用したい年の3月15日までに提出(例:2027年分から青色にしたいなら2027年3月15日まで)
  • その年の1月16日以降に新たに貸付を開始した人:貸付開始日から2ヶ月以内に提出

期限を1日でも過ぎると、その年は自動的に白色申告になります。 「物件を買ったら決済後すぐに申請書も出す」をセットで覚えておきましょう。

提出方法:e-Taxまたは書面

  • e-Tax:マイナンバーカードがあれば自宅から提出可能。控えもデータで残る
  • 書面:国税庁サイトから様式をダウンロードし、納税地の税務署へ持参または郵送。控え用にコピーを持参して収受印をもらうと安心

記入項目は氏名・住所・所得の種類(不動産所得)・簿記方式(簡易簿記)・備付帳簿名など。 10分程度で書ける分量です。

65万円控除にステップアップできる人

物件が増えて事業的規模(概ね5棟10室)に達したら、複式簿記e-Tax申告を組み合わせることで 控除額を55万円(e-Taxで65万円)まで引き上げられます。 逆に言えば、1〜4室のうちは65万円控除は対象外なので、 無理に複式簿記へ移行する必要はありません。まず10万円控除を確実に取りましょう。 65万円控除の詳しい要件チェックリストは青色申告65万円控除を受ける条件で解説しています。

白色のままでいい人

青色が原則有利とはいえ、白色に合理性があるケースも一応あります。

  • 承認申請の期限を過ぎてしまった初年度 — その年は白色で申告し、翌年分の申請書をすぐ出す
  • 近く貸付をやめる予定 — 売却・自己使用への転換が目前なら、申請の手間を省く判断もあり
  • 相続直後の暫定期 — 承継方針が固まるまでの一時的な期間

これらに当てはまらない大家さんは、来年分からの青色移行をおすすめします。 「なんとなく白色のまま」が一番もったいないパターンです。

記帳を楽にする仕組みを作る

青色10万円控除のハードルは、実質「日々の記帳を続けること」だけ。 家賃の入金と経費の支払いをその場でアプリに記録していけば、 簡易帳簿の材料は自然に揃います。

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よくある質問

Q1. マンション1室でも青色申告できますか?

できます。青色申告自体に規模の要件はなく、1室の貸付でも承認申請をすれば 10万円控除の対象になります。事業的規模(概ね5棟10室)が必要なのは 55万/65万円控除だけです。

Q2. 青色申告承認申請書の期限はいつですか?

適用したい年の3月15日までです。ただし、その年の1月16日以降に新たに貸付を 開始した場合は、開始日から2ヶ月以内に提出すればその年分から適用できます。

Q3. 白色申告なら帳簿はつけなくていいのでは?

誤解です。2014年以降、白色申告でも記帳と帳簿保存が義務化されています。 白色でも青色(10万円控除)でも記帳の労力はほぼ同じなので、 控除と赤字繰越が付く青色のほうが有利です。

Q4. 10万円控除と65万円控除は自分で選べますか?

選ぶというより、要件で決まります。事業的規模+複式簿記+e-Tax(または電子帳簿保存)を すべて満たせば65万円(e-Taxなしなら55万円)が適用され、 満たさない場合は10万円控除になります。

まとめ

白色申告と青色申告(10万円控除)の間に、手間の差はほとんどありません。 あるのは「承認申請書を期限内に出したかどうか」と「毎年約3万円の節税+赤字3年繰越」の差だけ。 1室からの大家さんは、次の3月15日(新規貸付なら開始から2ヶ月以内)を目標に 申請書を提出し、日々の記帳の仕組みを整えることから始めましょう。

本記事は2026年7月時点の制度に基づく一般的な情報であり、 個別の税務判断は税理士・税務署等の専門家にご確認ください。

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