相続で大家になった人が最初の90日でやること【チェックリスト】
親からアパートや貸家を相続して、ある日突然「大家さん」になった—— そんな方が最初の90日で何をすべきか、混乱しないための優先順位を解説します。 大家業は最初の対応を誤ると、後から取り返しがつかない領域があります。
なぜ「90日」が重要なのか
相続手続きの多くが「相続開始を知った日から◯ヶ月以内」と期限付きだから。 相続放棄は3ヶ月、準確定申告は4ヶ月、相続税申告は10ヶ月。 この90日間で放棄すべきか、継続するかの判断が必要になります。
最初の30日:情報収集とリスクの洗い出し
Day 1〜7:相続財産の全体像を掴む
- 被相続人(親)の所有していた不動産リスト(登記簿謄本)
- 銀行口座、証券口座、負債(ローン、連帯保証)
- 遺言書の有無を確認
Day 8〜14:物件の現況確認
- 物件所在地を訪問し、建物の状態を目視チェック
- 管理会社の連絡先を調べる(いない場合は自主管理)
- 入居者リストを入手(管理会社経由または契約書から)
Day 15〜21:収支と負債を確認
- 過去3年分の確定申告書を取り寄せ(過去の収支が分かる)
- ローン残債と金利、保証人の有無を確認
- 火災保険・地震保険の契約状況
- 固定資産税の年額
Day 22〜30:専門家に相談
この段階で相続専門の税理士と弁護士に相談しましょう。 不動産相続に不慣れな税理士だと、大きな節税機会を逃すことがあります。
31〜60日:意思決定と名義変更
相続放棄の判断(期限:相続開始から3ヶ月以内)
以下のいずれかに該当するなら、相続放棄を検討。
- 物件のローン残債が相続財産の総額を上回る
- 物件が再建築不可で将来売却できない
- 大規模修繕が必要で資金繰りの目処が立たない
- 維持管理が物理的に不可能(遠方、高齢等)
注意:一度相続を承認(遺産分割、名義変更、家賃受領等)すると放棄できなくなります。
遺産分割協議
複数の相続人がいる場合、遺産分割協議書を作成します。 不動産の共有は将来の揉め事の元なので、一人が単独相続し、現金で他の相続人に代償するのが理想です。
準確定申告(期限:相続開始から4ヶ月以内)
亡くなった年の1月1日〜死亡日までの被相続人の所得税申告。 不動産所得があった場合は必須です。
相続登記
2024年4月から相続登記が義務化されました(怠ると過料10万円)。 司法書士に依頼すると5〜10万円が相場です。
61〜90日:大家業の実務を開始
管理体制の決定
- 委託継続:既存の管理会社をそのまま使う(楽だが手数料5〜8%)
- 管理会社変更:相見積もりで条件改善を交渉
- 自主管理:物件が近く、時間がある場合のみ推奨
入居者への挨拶
オーナーが変わったことを通知します。書面で送るのが標準ですが、 自主管理する場合は一度対面または電話で挨拶しておくと、その後のトラブル対応がスムーズです。
銀行口座の変更
家賃振込先を、自分の口座に切り替えます。 振込先変更の書面を入居者(または管理会社)に通知します。
火災保険・地震保険の名義変更
オーナー変更とともに、保険契約も名義変更が必要です。 手続きしないと、火災時に保険金が受け取れない可能性があります。
青色申告承認申請
青色申告を選択する場合、相続開始から4ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出。 最大65万円控除が受けられます。
ありがちな失敗ワースト3
失敗1:相続放棄のタイミングを逃す
「とりあえず家賃だけ受領していたら、実は負債のほうが大きかった」 家賃受領は相続の承認と見なされ、後から放棄できなくなります。
失敗2:管理会社を変えずに放置
高齢の親が契約していた管理会社は、手数料が相場より高いことが多い。 相見積もりを取るだけで、年間数万〜十数万円の節約になります。
失敗3:減価償却の計算ミス
相続では建物の取得価額と償却費の引き継ぎ方に独特のルールがあります。 不動産に不慣れな税理士だと、この計算を誤ることがあります。
OwnersDeskが相続大家さんの役に立つ場面
OwnersDeskは、相続で突然大家になった方でも説明書なしで使えるシンプル設計。 物件・入居者・契約書を入力すると、家賃の入金状況、契約更新日、減価償却費を 自動で管理します。複雑な会計ソフトの学習不要です。
まとめ
相続で大家になるのは人生で何度もない出来事。最初の90日で正しい判断をすれば、 その後の10年、20年の不動産所有が楽になります。必ず専門家のサポートを受けながら、 1つずつ手続きを進めていきましょう。
本記事は一般的な情報提供であり、具体的な相続・税務判断は専門家にご相談ください。