賃貸契約の更新手続き完全ガイド|更新料・保証人・書類テンプレ【2026年版】
賃貸契約の更新は、大家さんにとって家賃見直しと入居者関係の再構築の重要なタイミングです。 この記事では、2〜10物件を持つ小規模大家さんが知っておくべき更新手続きのすべてを、 タイムラインに沿って解説します。
1. そもそも更新とは何か
借地借家法上、賃貸契約には2種類あります。
- 普通借家契約:2年毎に「更新」するのが標準。更新拒絶には正当事由が必要。
- 定期借家契約:契約期間満了で契約終了。更新の概念はなく、継続なら新規契約。
一般的な賃貸は普通借家契約なので、本記事は主にこちらを対象に解説します。
2. 更新の6ヶ月前〜3ヶ月前:準備
家賃の見直しを検討
周辺相場と比較し、家賃を上げるべきか下げるべきか判断します。
- SUUMO・ホームズで同エリアの同条件物件をチェック
- 過去2年の物価・相場変動を確認
- 物件の設備・築年数の劣化度合い
ただし、家賃の一方的な値上げには応じない権利が入居者にあります(借地借家法32条)。 値上げが合意されない場合、現家賃のまま自動更新(法定更新)になります。
更新条件の見直し
- 更新料の金額(家賃1ヶ月分が相場)
- 保証人 → 保証会社に切り替えるチャンス
- ペット可・不可の変更
- 駐車場利用の追加・解除
3. 更新の3ヶ月前〜2ヶ月前:通知
更新案内書の送付
管理会社経由、または自主管理の場合はオーナーから書面で通知。
記載内容:
- 現契約の終了日
- 更新後の契約期間(通常2年)
- 家賃・管理費の金額(据え置きまたは変更)
- 更新料の金額と支払方法
- 保証人または保証会社の更新条件
- 火災保険の更新(任意加入の場合)
- 回答期限(通常2週間〜1ヶ月)
4. 更新の1ヶ月前:契約書締結
更新契約書の作成
更新契約書には以下を明記します。
- 新契約期間
- 家賃・管理費
- 更新料
- 旧契約の条項を引き継ぐ旨(変更があれば明示)
必要書類
- 更新契約書(2部、オーナー・入居者で1部ずつ保管)
- 保証人変更があれば保証人承諾書
- 火災保険証券のコピー(更新した場合)
5. 更新料についてのFAQ
Q:更新料は必須ですか?
法律上は必須ではありません。契約書に明記されている場合のみ請求可能。 関東は更新料あり、関西は少ない、という地域差があります。
Q:更新料の相場は?
家賃の1ヶ月分が標準。2ヶ月分を設定する契約もありますが、高すぎると更新拒否・退去リスクが増えます。
Q:更新料は経費になりますか?
オーナー側:収入として計上します(その年の不動産所得に含まれる)。 入居者側:事業用途でない限り経費にできません。
6. 家賃値上げの正しい進め方
段階1:値上げ通知
値上げ理由を明記した通知書を送付。周辺相場、税負担増、設備更新費用などが正当な理由。
段階2:協議
入居者が同意しない場合、まず話し合いで妥結を目指します。ここで折り合いがつかない場合、
段階3:調停・訴訟
簡易裁判所に賃料増額調停を申立て。調停不成立なら訴訟。 訴訟中も入居者は従前家賃を支払い、差額は供託するのがルールです。
7. 更新拒絶(更新しない)場合
オーナーから更新を拒絶するには、正当事由が必要です(借地借家法28条)。
- オーナー自身が住居として使用する緊急性
- 建物の老朽化・建替えの必要性
- 立退料の支払い
正当事由なしの更新拒絶は無効で、自動的に法定更新されます。
8. 法定更新(自動更新)とは
期間満了までに更新合意がなければ、従前契約と同一条件で継続される制度。 ただし契約期間は「期間の定めなし」となり、以降いつでも入居者が解約可能になります。 オーナーにとってはやや不利な状態。できれば合意更新で明確にしておきたいところです。
9. 更新手続きの「うっかり」を防ぐ
2〜10物件を持つ大家さんが陥りがちなのが、契約更新日の見落とし。 期限が過ぎてから気づくと、値上げ・条件変更の機会を逃すだけでなく、 法定更新で不利な状態に陥ります。
10. OwnersDeskの更新管理
OwnersDeskでは、各入居者の契約終了日を物件情報に紐付け、60日前・30日前・7日前の自動リマインダーを発行。 更新契約書のテンプレート出力、更新履歴の記録も一元管理します。 複数物件の大家さんでも、更新対応が抜け漏れなく進められます。
まとめ
賃貸契約の更新は、家賃見直し・条件改善・入居者関係のメンテナンスの3つを同時に進める機会。 6ヶ月前からタイムラインに沿って準備すれば、合意更新がスムーズにまとまります。 更新日の見落としだけは絶対に避けましょう。
本記事は一般的な情報提供であり、具体的な法律判断は弁護士・司法書士にご相談ください。